■コラム:「シェブロン」の可能性
コラム: 空気を整え、真のダウンフォースをNDロードスターと「シェブロン」の可能性
1. 車の背後に潜む「ウェイク(後流)」の正体
自動車が走行する際、ボディ表面を流れた空気は最後尾で剥離し、複雑にかき乱されます。これが「ウェイク(後流)」と呼ばれる空気の渦の塊です。このウェイクは、車を引き止める抵抗(ドラッグ)になるだけでなく、走行安定性やリアのグリップ力に悪影響を及ぼします。
2. オープンカー特有の課題「キャビンウェイク」
特にNDロードスターのようなオープンカーにとって、ウェイクはより複雑な問題となります。幌を開けた状態では、フロントガラスを越えた風が車内(キャビン)へと巻き込み、そこで巨大な空気の乱れを生みます。これが「キャビンウェイク」です。
この乱れた空気はトランク上部へと流れ込むため、例え高性能なGTウイングやリアスポイラーを装着していても、本来の性能を発揮しきれていないケースが多々あるのです。
3. 「シェブロン構造」が風を変える
そこで私が着目したのが「シェブロン(鋸歯状)」構造の整流プレートです。
水面に石を投げた時の波紋のように、空気がこのギザギザの角に当たると、小さな縦方向の渦が発生します。この小さな渦が、大きな乱れを抑制し、バラバラだった風の流れを一定の方向へと綺麗に「整列」させる役割を果たします。
4. 目的別:シェブロンの向きで変わる空力セッティング
今回開発したシェブロンパネルは、取り付けの向きによって目的を変えることができます。
* グリップ重視(ギザギザを前方向へ):
積極的に渦を発生させ、トランク上部の風をリアスポイラーにしっかり押し当てます。これによりダウンフォースを最大化し、タイヤの接地感を高めます。
* スムーズな整流重視(ギザギザを後ろ方向へ):
トランクのラインに沿わせて設置することで、空気をスムーズに後方へ引き抜き、空気抵抗の低減と直進安定性の向上を図ります。
まとめ:愛車の本来の力を引き出すために
「せっかくの空力パーツが、乱れた風のせいで機能していない」……それは非常に勿体ないことです。カボワンスポーツでは、このキャビンウェイクをコントロールし、ロードスターが本来持つ走りの質感を一段階引き上げるための提案を続けています。
このシェブロンによる整流効果、貴方のロードスターでも体感してみませんか?
